【ネタバレ】戴の登場人物・地名・地図・専門用語まとめ(十二国記『白銀の墟 玄の月』)

考察, 感想, 十二国記

\酷いネタバレを含みます/
未読の方は絶対に読まないで下さい。


(ただの資料です)


玄管・主公の正体について(考察)
琅燦について(考察)

十二国記『白銀の墟 玄の月』
『白銀の墟 玄の月』全4巻セット
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基礎用語

名前 特徴
きか
麾下
直属の部下。
将軍じきじきの家来のこと。
こくど
国帑
国の財産。
戴国の国帑は大半が穀物で、鉱物や特産品も含まれている。
正頼が隠したのはそれらを引き換えるための帳簿と証書。
(国帑がないことで阿選は大量の借金を抱えた)
どひ
土匪
その土地に根付いている賊のこと。
集団で掠奪・暴行などをする武装集団。
きょうかく
侠客
任侠に生きる者。
義侠心をもって人の窮境を救う武力集団を指す。

関連人物

博牛

きゅうこう
窮寇
追い詰められ窮した敵。

関連人物

李斎/英章/霜元

十二国記の専門用語はページ下(↓)にまとめています。

王宮・王朝・官吏

謀反前


泰麒帰還後
驍宗の麾下
阿選の麾下
その他
死亡(白銀スタート前)
名前 驍宗王朝 阿選王朝
ぎょうそう
驍宗
6〜7年前、轍囲付近の土匪討伐のため英章軍・霜元軍・臥信軍・阿選軍の一部と出向いた文州で忽然と消えた。
部下を覚える能力が傑出しており、たとえ雑兵でも忘れない特技を持つ。
たいき
泰麒
瑞州州候 瑞州州候
胎果の黒麒。
6〜7年前、驍宗の失踪とほぼ同時期に蓬莱(日本)に飛んでから自力で帰れなくなっていたが、他国の援助で奇跡的に生還する。しかし日本にいる数年間で地獄を見た。(エピソード0 『魔性の子』参照)
日本で経験した悲惨すぎる出来事が大きな要因となって『麒麟らしくない麒麟』になったが、彼の身に何が起きたのかを詳しく知る者は十二国世界にはいない。

「私は、麒麟として持っていたはずの奇蹟の力を悉く失くしました。喪失したからこそ、奇蹟ではない現実的な何かで、戴を救うために貢献しなければなりません」
「王は玉座におられません。阿選には民を救う気がありません。ならばせめて私が、それをしなければなりません。そのために私はあるのではないですか?」

えいちゅう
詠仲
冢宰
元冢宰。鳴蝕で重傷を負い、死亡。
かいはく
皆白
天官長
下人の助けを得て、鳴蝕の混乱に乗じて出奔。驍宗が帰還したと知り江州城へ駆け付けた。
かけい
嘉磬
天官小宰 瑞州天官長
皆白の右腕。阿選の謀反後、宮中で干されたため私兵を雇っていた。
阿選に(表向きは)反旗を翻すこともなく働いていたが、『泰麒殺害未遂』で拘束されていた張運の道連れで瑞州六官長と共に処刑された。
やり
耶利
瑞州大僕
表向きは嘉磬の私兵。
何者かの密命を受けて昇仙し、泰麒の護衛役となった。
せんかく
宣角
地官長
鳴蝕後、逃げ遅れて宮中で処刑された。
ちょううん
張運
春官長 冢宰
驕王の時代から王宮で働く。
驍宗には『地道にコツコツ出世した男』として評価されていたが、実際はいやらしい手で周りを蹴落としていた。
※驍宗王朝で春官庁の末端構成員だった立昌が被害に遭っていた可能性がある。(あくまで可能性の話)
はぼく
芭墨
夏官長
鳴蝕後、逃げた先の委州で処刑されたらしい。(真偽不明)
かえい
花影
秋官長
李斎の友達。温厚で平和主義な性格。
鳴蝕後、垂州で李斎と別れて地元の藍州へ移動。そこで潜伏中の臥信と出会い、地元民のネットワークを駆使して江州城を落とす手助けをする。
ろうさん
琅燦
冬官長
かなりの博識。黄朱出身の若い女。
初めて黄海から戴の王朝(当時禁軍将軍だった驍宗)に預けられた人間。阿選王朝では自らの意思で地位を捨てた。
がんちょう
巌趙
禁軍将軍(左) 計都の世話
驍宗の兄のような存在。義理人情に篤い性格。
阿選に人質杉登ら)を大量に取られた。
さんとう
杉登
禁軍師帥(左) 禁軍師帥(中)
巌趙の麾下。阿選王朝では品堅の下で働く。
良い上司(品堅)と部下(帰泉)に恵まれた。
えいしょう
英章
禁軍将軍(中)
苛烈で曲者。
文州で軍を解放し、馬州に潜伏する。

「耐えて雌伏し、主上が起てば必ず駆けつけると誓約せよ。その気のない者は好きにすればいい。──ただし、阿選に下る者は、決戦までの命数だと思っておくんだね。主上と阿選が戦うことがあれば、私は必ずその者の首を貰う

りけい
俐珪
禁軍師帥(中)
英章の麾下。
潜伏した英章軍の連絡係だったが、突然消息不明になった。(おそらく討たれて死亡)
ごうへい
剛平
禁軍師帥(中)
英章の麾下。文州で英章軍解散後、消息不明。
轍囲の乱に同行しており、「妙な戦だった」と項梁と共に懐かしんだ。
こうりょう
項梁
禁軍師帥(中) 瑞州大僕
英章の麾下。暗器の使い手。
文州で英章軍解散後、国内を放浪していたところで園糸に出会う。
大義のため東架で園糸・栗と別れたが、彼女たちのことは決して忘れていない。

「俺が戻るときには、もう旅をする必要はないんだ──この国の誰も」

せきれい
夕麗
禁軍卒長(中)
英章の麾下。白琅赴葆葉に匿われていた女兵士。
女性差別がある軍隊の中で、女将軍として活躍する李斎に憧れていた。

「望んで軍に入ったのですが、なんて高い壁なのだろうと思っていました。それが、李斎様が将軍としてあられるのを見て、本当に救われたのです」
「ここで後背に残って、女だから哀れまれて残された、などとは言われたくありません。どうぞ、私にも意地を貫かせてください」

あせん
阿選
禁軍将軍(右) (仮/偽)
驍宗と泰麒を手中に収めようとするも失敗。
計画が狂った末、引きこもりになった。
しゅくよう
叔容
禁軍軍司(右) 夏官長
痩身の男で恵棟の上司。
自ら敵と戦うことはないものの、阿選軍の一員であることを誇りに思っていた。
友尚とは比較的親しい仲の模様。

 阿選軍は軍紀を重んじる。(略)品行においては常に驍宗軍より上だと評価されてきた。それはときに驍宗が権威に逆らうことがあった(※轍囲の乱)からで、阿選軍にはそのような不遜がない。(略)自ら剣を握って戦うわけではないものの、自分も兵卒の一人だと思っている。

けいとう
恵棟
禁軍幕僚(右) 瑞州州宰など
叔容の部下で阿選の麾下。友尚とは親しい仲。
宙に浮いた忠誠心と良心の葛藤に苦しむ。

「麾下とは愚かな生き物です。主人がこうだと言えば否やはない。けれども愚かでいられるのは、主公と臣下という関係があればこそ」
「ただ街に反逆者がいたというだけで、その者の存在すら知らなかったにもかかわらず殺された民がどれだけいるとお思いですか。子供も──物心すら付かない赤子ですら、阿選の手にかかって殺されていったのです。私は阿選などという王は認めない。絶対に玉座に就くべきではない──私は、許さない」

せいこう
成行
禁軍師帥(右) 禁軍将軍(左)
仁義よりも忠義を優先する男。
阿選が間違っていることは承知していた。

 やはり王は驍宗か。──だが。「そんなことは最初から分かっている
「我らの主は驍宗にあらず。阿選様であり阿選様の王朝である」
是非を考えるのは兵卒の職分にない!」

ごげつ
午月
禁軍旅帥(右) 瑞州小臣
成行の部下で阿選の麾下。男。
阿選が間違っていることは承知の上で、それでも尊敬の念が消えず複雑な気持ちを抱いていた。
ゆうしょう
友尚
禁軍師帥(右) 禁軍将軍(右)
阿選の麾下で、私生活が壊滅的な男。
終始一貫して「阿選は間違っている」と確信していたが、それでも最後まで阿選の麾下だった。

「必ずいつか阿選は倒さねばならない。国と民のために」
「──いいか? お前が(黄泉に)来るときには、必ず阿選様をお連れするように。それが我々麾下の務めだ

げんゆう
弦雄
禁軍?(右) 禁軍師帥(右)
友尚の麾下。
阿選軍として霜元らに捕まった際、驍宗の容体を気に掛けた上で「主上の御武運を祈念申し上げる」と敵対する霜元に頭を下げた。
ちょうてん
長天
禁軍?(右) 禁軍旅帥(右)
友尚の麾下。玄管から李斎宛の青鳥が届いた

(※霜元の部下かと思っていましたが、途中で霜元軍に加わった友尚の麾下でした。)
ししん
士真
禁軍?(右) 禁軍旅帥(右)
友尚の麾下。李斎土匪との戦いで足を負傷したため鴻基には行けなかった。

「私は阿選に命じられて、罪もない民を数え切れないほど殺しました。いまさら命を惜しむ資格があるとは思えません。阿選に反旗を翻すのは、罪深い我々の義務です。裏切られ、貶められた主上の名誉を守るのも、我々の義務です」

せんし
宣施
禁軍?(右) 禁軍旅帥(右)
友尚の麾下。
ひんけん
品堅
禁軍師帥(右) 禁軍将軍(中)
阿選の部下だが、生え抜きの麾下ではない。(驕王時代は別の将軍に仕えていた)
不手際もなければ功績もない、ただただ堅実で実直な男。
情理を分かっており、阿選王朝で浮いている巌趙杉登らを常に気遣っていた。

処刑の際、英章軍が鴻基に雪崩れ込む姿を見て速やかに阿選に反旗を翻した。
素直でお人好しの帰泉をとても大切にしており、不器用な帰泉に少しだけ自分を重ねてもいた。

きせん
帰泉
禁軍旅帥(右) 禁軍旅帥(中)
愚直で不器用。爽やかでお人好しな男だがあまり賢くない。
自分の短所を優しく褒めてくれた阿選に心から感謝していた。

 懸命に仕えることしかできず、どれほど頑張っても功績において他人に劣る。そんな自分を評価してもらっているのだと知って、どれほど嬉しかったか。

「良くやった」帰泉はその声に聞き覚えがあった。長く望んだ声であり言葉だった。そのことは暗雲に覆われた頭でも分かった。(略)帰泉は頷いた。なぜかどこか寂しかった。

うこう
烏衡
禁軍卒長(右) 赭甲
元々は阿選軍の卒長。汚れ仕事を専門にする下衆。
賓満の力を使って民を嬲り殺していた。驍宗を竪穴に放り込んだ張本人。
7年前には品堅の下で働いていたが、おそらく彼らに主従関係は全くない。
(現在は津梁の下で働くが、「凱州から来たよそ者」として津梁のことも舐め腐っている。)
しんりょう
津梁
凱州師(詳細不明) 禁軍?
阿選の麾下ではない。駹淑の元上司。
阿選王朝になってから徴兵された軍人で、有能。王師に異動したらしいが具体的に今どこで何をしているのかは不明。(烏衡の新しい上司であることは確実。禁軍師帥が妥当かなと思う)
ぼうしゅく
駹淑
瑞州小臣
阿選に徴兵された津梁の部下。
純粋で真面目な若者で、実家は裕福なエリート組。当時登極したばかりの新王(驍宗)への憧れから、周囲の期待を押し退けて軍学の道を進んだ。
謀反当時は津梁と共に凱州で働いていたため、阿選王朝の劣悪非道な事情を全く知らない。そのため阿選が王に選ばれたことでようやく国が豊かになると心から喜んだ。(終盤、驍宗が真の王だと知って心底驚く。)
おそらく最後に『巌趙と共に阿選軍と戦った瑞州の小臣』は彼。(※駹淑ではなく伏勝午月かもしれない。)
ふくしょう
伏勝
禁軍旅帥(右) 瑞州司士
阿選の配下にいたが誰の麾下かは不明。
司士として真面目に泰麒を守っていたが、最終的に干された。
生粋の武人のためデスクワークが大の苦手。
きりょう
基寮
文州師将軍
人望と功績を認められて、驍宗の采配で文州師将軍に抜擢された。
誰からも慕われるような明るい性格の人格者で、友尚いわく「一緒に飲むとすこぶる愉快」。回生の主公。
せいか
菁華
文州師(詳細不明)
老安に匿われていた女兵士。死んだ基寮を驍宗と偽った。
しょうしつ
詳悉
文州師
かつて文州豊沢に配属されていた師士。李斎静之を荒民狩りと勘違いしていた。
李斎と赴葆葉の橋渡しを担う。
せいらい
正頼
瑞州州宰
泰麒のじいや。
鳴蝕後、臥信英章と結託して速やかに国帑を隠した。白圭宮の奥で監禁&拷問を受ける。
たんすい
潭翠
瑞州大僕
泰麒のかつての護衛。
鳴蝕後、夏官長の芭墨と共に白圭宮を出て委州へ逃げたがその後消息不明。
がしん
臥信
瑞州師将軍(右)
文州で軍を解放し、藍州に潜伏していた。神農朱旌(黄朱)と親しく情報通。
李斎曰く奇計奇術の将で、行動が読みにくく油断がならない。また、「妙に細かい情報を持っていてとんでもない策を取る」らしい。(江州陥落の伏線?)
朱旌の元締めに匿われていた。
しょうはく
証博
瑞州師師帥(右)
人懐っこくて明るい性格。
潜伏中、阿選軍から轍囲を守るため立ち上がったが敗北。仲間と共に戦死した。
せいし
静之
瑞州師旅帥(右)
証博の麾下。証博と共に轍囲を守る戦に臨み、敗北。
瀕死になっていたところを通りすがりの習行(神農)に助けられた。

「習行、殺してくれ……!」
「静之殿」
「お前にはその権利がある。民の全てに、俺を八つ裂きにする資格がある」
(驍宗が目と鼻の先で死んでいたと知った際の会話)

そうげん
霜元
瑞州師将軍(左)
驍宗の麾下。文州で軍を解散後、承州の壇法寺〜文州の高卓に潜伏。
がいかつ
崖刮
瑞州師師帥(左)
霜元の麾下。嘉橋で軍を解散後、阿選軍から逃げていたところを高卓戒壇に救われた。
きろ
癸魯
瑞州師旅帥(左)
霜元の麾下。潜伏先の高卓で偶然李斎と出会い、同じく高卓に潜んでいた霜元に引き合わせた。
りさい
李斎
瑞州師将軍(中)
元々は驍宗の麾下ではない。(今は麾下になっている)
今回の一件で国内外にかなり強力な人脈を築いた。
おうこう
泓宏
瑞州師師帥(中)
李斎の麾下。承州に潜伏していた。
泓宏が承州の壇光寺に逃げ込んだことがきっかけで、霜元など多くの王師が助かった。

「無駄じゃないです。自分の中の節を曲げないことは無駄じゃない」
「私は李斎様の腰巾着なんで、李斎様の行くところに行くんです。将ってのは、そういう荷物を背負って行くもんですよ」

こうゆう
光祐
瑞州師?(中)
李斎の麾下。承州で李斎と別れた後、李斎軍の部下を率いて潜伏。
李斎らと合流するべく全速力で国内を駆けていた。
あんさく
案作
冢宰輔
張運を意のままに動かしていた野心家。
しそん
士遜
元瑞州州宰
張運の意のままに動いていた愚かな男。
泰麒を舐めてかかったら痛い目を見た。
りっしょう
立昌
春官庁府吏 天官長
50がらみでどこか険のある風貌の男。浹和をスパイに使った。
元々は驍宗王朝の春官府吏(末端構成員)で、「謀反後なぜか異例の大出世を遂げた」と噂されている。
その一方で、驍宗王朝時代は張運の『過剰な忠義』の被害を受けていた可能性がある人物。そのため生粋の無能なのか、はたまた無能のフリをしているだけで実は有能なのかは謎。

本来天官長は王の世話も担うが、立昌は阿選から締め出されているため六寝にすら近付けない(=立昌は阿選が用意したスパイではない)
かしゃく
哥錫
地官長
「泰麒と阿選を会わせるべきではない」「践祚の公表を急がせろ」「過激な誅伐はやめさせろ」等の発言をした。
けんしゅ
懸珠
春官長
女官吏。
紛糾した朝議で「とりあえず台輔に話を聞いてみれば?」などと発言した。
立昌同様、六寝には入れない(=阿選のスパイではない)
きょうしょう
橋松
秋官長
おそらく嘉磬や瑞州六官長を処刑した人物。
また、伏勝午月など泰麒に寄り添っていた瑞州小臣を泰麒から引き離した。
冬官長
正体不明。会議を欠席することもザラ。
そもそも『冬官長』の役割を担う人物が存在するのかも謎で、空席の可能性アリ。
おそらく実権は全て琅燦にある。
ぶんえん
文遠
黄医 黄医
驕王の頃から王宮で働く麒麟専門医。
泰麒から『阿選に角を斬られたこと』『王宮の外で項梁に出会ったこと』などを聞いていた。途中から次蟾のせいで病む。
とくゆう
徳裕
黄医 黄医
文遠の下で働く麒麟専門医。病んだ。
じゅんたつ
潤達
黄医 黄医
危険を承知で泰麒の味方になった。
泰麒に騙される形で命を救われたが、再び泰麒の下に駆けつけた。

「台輔の行動如何によっては、私までお叱りを受けます。処罰されることもあり得るでしょう。(略)その結果、私の身がどうなろうと不満を言う気もございませんし、全て受け容れる所存でございます。けれども知らずにいて受け容れることと、知っていて受け容れることの間には天と地ほどの違いがございます」
「何より、私が何も知らなかったために、台輔や皆様のお邪魔になるようなことをしでかすことが恐ろしゅうございます。たった一言、私が巧く言い繕えば悶着を避けることができたのに、それができなかった、などという事態は嫌なのです」

へいちゅう
平仲
司声 天官寺人
白髪混じりの初老の男。
驕王の頃から王宮で働いており、王のためというより国のために働くことにやりがいを感じる官僚。(事務職)
泰麒が白圭宮に戻ってきた際、天官長である立昌の命で突然泰麒の世話係に任じられた。
病んだ。
しょうわ
浹和
典婦功 女御
泰麒の世話をしていた女性。立昌のスパイも担っていた。病んだ。
けいと
計都
驍宗が自ら狩った騶虞。驍宗と巌趙しか近付けない。
羅睺と対になる名前で、とても不吉な意味を持つ。
らごう
羅睺
驍宗が自ら狩った騶虞。計都よりは大人しいかもしれない。
計都と対になる名前で、とても不吉な意味を持つ。
ひえん
飛燕
李斎の騎獣。温厚で人懐っこい。
本来はあまり戦に向かない種族(天馬)だが、李斎の手足となって戦った。
とら
雁の騶虞。よく飼い馴らされているため背中に誰でも乗せる。
げんかん
玄管
謎の人物。
国民を守るため秘密裏に沐雨鴣摺を飛ばしたり暗躍していた。




一般人

名前 特徴
えんし
園糸
2児の母。阿選の過激な討伐で夫と故郷を失った。
住む場所を求めて国内を旅している間に4歳の長女も失う。
りつ
園糸の子供。項梁にとてもよく懐いていた。
えんちょう
淵澄
瑞雲観の生き残り。現存する道士のトップ。
李斎や泰麒のために影から多くの支援をしていた。
きょし
去思
瑞雲観の生き残り。22〜23歳の道士。
長い間一緒に旅した鄷都とは深い絆が出来ていた。
どうじん
同仁
東架の里宰。善良を絵に描いたような風貌の若い男。
とらに乗ってやってきた潤達から泰麒の手紙を預かった。
ほうと
鄷都
30代半ばの男で、驍宗と同郷の神農。めちゃくちゃ良い人。
墨幟の旗のデザインをした。

「助けた李斎様が台輔を連れて戻ってくださったと知れば、きっと二人は報われたと喜ぶことでしょう」「委州の民なら、絶対にそう思いますとも。何を賭けても良うございます。」
(李斎を庇って死んだ委州の老翁と孫娘の話。鄷都も委州の民。死に際の笑顔はおそらくそういうこと。)

かいせい
回生
老安で基寮の世話をしていた12、3歳の少年。『回生』は基寮に貰った字。
周りの大人が基寮を殺したのだと信じ込んでいた。
きいつ
喜溢
普邱院の都構(道士の教師役)
じょかん
如翰
普邱院の監院(道士の偉い人)
貍力の入った木箱を運ぶ王師を目撃した女を匿っていた。
けんちゅう
建中
琳宇の差配。無口で無愛想なわりに人望のある屈強な男。
轍囲出身のため驍宗には特別な想いがある。
しゅうこう
習行
琳宇神農。瀕死の静之を助け、一緒に旅をしていた。
よたく
余沢
習行の弟子。静之李斎らと合流できて喜んだ。
ふほよう
赴葆葉
女豪商。白琅を拠点にしており、廃れた牙門観を別荘にしていた。
驍宗の力になるべく大量に武器を作っており、夕麗や博牛を匿っていた。
もくう
沐雨
石林観の女道士で主座。元朱旌
知人の朱旌を通して玄管から青鳥を受け取っていた
そどう
梳道
石林観の若い道士。
ぼうきゅう
茂休
老安の里宰輔。
しゅんすい
春水
李斎らと出会った子連れの白幟。
端直 白琅に逃げ込んだ荒民。李斎らを阿選の荒民狩りと勘違いして敵視していた。
げんえい
彦衛
南牆の住民。母親を土匪に殺された。
土匪の襲撃時にやってきた驍宗らが村人ごと南牆を見捨てたため、(彦衛または定摂が)文州候に驍宗らの動向をリークした。
ていせつ
定摂
南牆の住民。彦衛とは兄弟のように育った。
村が土匪に襲われた際、通りすがりの李斎らに助けを乞うた。
はくぎゅう
博牛
白髪混じりの初老で屈強。左頬から口元にかけて大きな傷跡がある。
『人探し』のため国内を放浪していた。驍宗の特徴を正確に把握している他、腕の立つ部下を従えている。
建中は『白琅の侠客』として博牛を認識していたが、実態は不明。

李斎らが義侠心を持たないわけではない。連中は何より軍人なのだ。軍が餓狼の集団に堕さぬためには規律が必要だ。兵卒はそれ自体が武器のようなもの。武器に勝手な意思などあってはならん」

↑なぜか軍人の生態にも詳しい。元夏官長・芭墨の可能性もあるが実際のところは不明。

とんこう
敦厚
文州の冬官長。60がらみの押し出しの良い男。
琅燦が冬官を保護している事情を利用し、密かに赴葆葉李斎を支援していた。
せいげん
清玄
瑞雲観系の道士。
くうしょう
空正
壇法寺の僧侶。いかつい風貌の男。
どうはん
道範
高卓戒壇の主座。
枯れた風貌の老人で飄々とした空気を纏っているが眼光は鋭い。
そうこうへい
草洽平
英章臥信の行方を知っている人物。馬州にいた。
先生 泰麒が心の支えにしている人物。エピソード0 『魔性の子』に登場。
泰麒が男子高校生として地獄の日々を送っていた頃、彼に寄り添った教育実習生のこと。
(『魔性の子』の主人公)

土匪周辺

名前 特徴
きゅうさん
朽桟
函養山周辺を占領する土匪のボス。
物事の道理や善悪を分かった上で、自分や家族が生き残るために悪人になった。
せきひ
赤比
朽桟の右腕。
しょきゅう
杵臼
気弱だが快活な初老の男。
何よりも家族を守りたかったのに、かなり悲惨な末路を辿る。
ちゅうかつ
仲活
老翁。李斎らに函養山を案内した。
れんそく
斂足
土匪の親分的存在。
驍宗失踪時、阿選に手を貸していたが口封じのため処刑された。
きゅうじょ
翕如
朽桟の兄貴分。驍宗失踪後処刑された。
しゆう
此勇
朽桟の息子で士真の兄。
父親らを殺した阿選に怒りをぶつけるため、死を覚悟で鴻基に向かった。
ほうじゅん
方順
朽桟の息子。まだ少年。
阿選に一矢報いるべく鴻基に行く覚悟をしていたが、兄に止められた。

地名・地図

全国版

戴国地図
戴国地図
名前 特徴
ばしゅう
馬州
戴の北西に位置する州。
すぐに阿選に屈した。英章の潜伏地。
ぶんしゅう
文州
戴の北側中央に位置する州。
轍囲函養山琳宇白琅がある場所。
じょうしゅう
承州
戴の北東に位置する州。州候は阿選に処刑された。
かつて李斎軍が所属していた州師がここ。そのため李斎軍は承州の地理に長けている。
また、園糸の出身地でもある。(園糸はここから文州、馬州、江州と旅をする)
こうしゅう
江州
瑞雲観や東架のある州。
李斎・泰麒が項梁去思鄷都に出会った場所。
全ての始まりの地であり、阿選を討つ拠点にもなった。
ずいしゅう
瑞州
首都のある州。州候は泰麒。
白圭宮のある鴻基はここ。
いしゅう
委州
驍宗と鄷都の出身地がある州。
驍宗所縁の地のため、阿選に反発する民が多い。
逃げ込んだ芭墨と州候はここで処刑されたらしい。ついでに潭翠も失踪。
らんしゅう
藍州
花影の出身地がある州。すぐに阿選側に寝返った。
朱旌の元締めがいる場所で、臥信・花影の潜伏地となった。
がいしゅう
凱州
すぐに阿選に寝返った。
駹淑津梁が州師として所属していた場所。
すいしゅう
垂州
妖魔が出るらしい。
李斎花影が別れた場所。

里・山・建物

文州地図
文州地図
名前 特徴
ぼくようざん
墨陽山
江州にある凌雲山
瑞雲観の本拠地があり、阿選の焼き討ちがあるまでは大小の道観で賑わっていた。
瑤山 函養山の北にある凌雲山
瑤山の南側に住む親子が川に供物を流していた。
かんようざん
函養山
玉の取れる山。
朽桟ら土匪が占領していた。白幟の巡回ルートでもある。

登場人物

羅睺/驍宗

こうき
鴻基
首都。白圭宮がある。
驍宗の処刑場となったのもココ。

登場人物

巌趙/耶利/潤達/琅燦 ……他

とうか
東架
始まりの地。
園糸項梁らが「一晩泊めてくれ」と頼んだが締め出された場所。
仕方なく付近を歩いていた項梁らと李斎・泰麒が出会い、一悶着の末に去思らの協力を得る。

登場人物

項梁/去思/淵澄/同仁/園糸/栗

ほくよう
北容
東架の北にある里。
せきじょう
碩杖
泰麒と李斎が別れた場所。
泰麒・項梁はここから鴻基へ向かう。
りんう
琳宇
街道が重なる街。普邱院と石林観がある。
土匪を討伐する際、驍宗や英章が拠点にしていた場所。李斎らが驍宗を探す際の第1拠点にもなった。
老安から回生が走って来たり、玄管の報せが来たり、本作のターニングポイントになっている。

登場人物

建中/沐雨/喜溢/如翰 ……他

そこう
岨康
土匪が占拠する街。

登場人物

朽桟/赤比/杵臼/仲活

あんぷく
安福
投石機を使って朽桟が王師(友尚ら)を足止めしていた場所。
せいさい
西雀
李斎が朽桟に借りた第2の拠点。
土匪が王師に襲われていると知ったとき、彼らを助けるかどうか李斎霜元軍が話し合った。

登場人物

李斎/霜元/建中/博牛 …他

しきゅう
志邱
烏衡が驍宗を呼び出し、密談した里。
轍囲の里宰が秘密裏に助けを求めている」という烏衡の言葉を罠だと悟った上で、驍宗は烏衡の話に乗った。
こはく
古伯
驍宗失踪直前、最初に土匪の反乱が起きた場所。
ろうあん
老安
基寮と菁華を匿っていた里。

登場人物

基寮/菁華/回生/茂休

さいほう
崔峰
驍宗と友尚軍が捕虜として囚われ、李斎らと面会した場所。

登場人物

驍宗/李斎/霜元/友尚 …他

りゅうけい
龍渓
石林観の大きな道観があった場所。
函養山捜索(驍宗捜索)の拠点になる予定だった。
てつい
轍囲
驍宗と縁の深い里。阿選により徹底的に焼かれた。
はくろう
白琅
文州の州都。街道が重なる街。
牙門観で大量の武器を作っていた。

登場人物

赴葆葉/夕麗/敦厚

なんしょう
南牆
文州の辺境にある里。
土匪の焼き討ち中に李斎や驍宗が訪れる。
「明日には皆殺しにされる」と必死に助けを乞うた村人を見殺しにした結果、村人(定摂か彦衛)が驍宗の動向を文州候を通して阿選にリーク。驍宗らに甚大な被害が出た。

登場人物

定摂/彦衛/博牛


漕溝
江州の州都。
白圭宮に入れない驍宗らの拠点になる。
ずいうんかん
瑞雲観
戴の道観のトップ。墨陽山のふもとにある。
阿選の謀反に異を唱えたため、問答無用で焼き討ちに遭った。
尚、生き残った道士が逃げ込んだ里も問答無用で焼き潰された。

関係者

淵澄/去思/清玄

ふきゅういん
普邱院
琳宇にある道観。
本来は道士の修行の場で、一般人が訪れる場所ではない。──が、公には保護できない荒民を「道士の見習い」と称して大量に保護している。

関係者

如翰/喜溢

せきりんかん
石林観
琳宇の外れにある道観。瑞雲観とは対立している。
玄管から王宮内部の情報を正確にリークされていた。

関係者

沐雨/梳道

がもんかん
牙門観
白琅の外れにある赴葆葉の別荘。
元は修行用の道観だったが、人が減り廃れたため葆葉が買い取った。阿選を倒すため密かに大量の武器を作る。

関係者

赴葆葉/夕麗/博牛/詳悉…他




専門用語

名前 特徴
めいしょく
鳴蝕
麒麟が起こす蝕。
自然発生する蝕(巨大台風のようなもの)よりも小規模だが、場所を選ばないと強い暴風により甚大な被害が出る。麒麟の悲鳴により発生し、十二国世界と蓬莱(日本)を繋ぐ。
しゅせい
朱旌
芸や商売をしながら各国を旅して回る人々。無国籍。
神農ともつながりが深く、情報通。
こうしゅ
黄朱
黄海で暮らす無国籍の人々。朱旌に属する。
「黄朱=国が傾いたせいで母国を追われた人々」というのが絶対的な世界の常識。これを疑う人は多分いない。
十二国世界に出産制度はなく、子供を授かるには国に属する必要があるため「黄朱は子供を授かれない」と考えられている。
尚、黄海で生まれる人間がいることを知っているのは一部の黄朱と恭王珠晶のみ。
ごうし
剛氏
黄朱の職業。昇山者の護衛をする。
しゅし
朱子
黄朱の職業。黄海で妖獣を狩り、各国で売る。
しんのう
神農
各地を回りながら丹薬などを売る行商人。
朱旌とも繋がりが深く、顔が広くて情報通。口が堅くて信用のおける人物が多い。

関連人物

鄷都/習行/余沢

どうし
道士
道観で修行を積んだ人。
戴に代々伝わる知識と技術を引き継ぐ。丹薬作りもその一環。

関連人物

去思/淵澄/沐雨など

とこう
都構
道士に講義を授ける教師のこと。

関連人物

喜溢

かんいん
監院
道士の上に立つ人々。阿選の焼き討ちにより大多数が死んだ。

関連人物

淵澄/如翰

ほうじょう
方丈
道観で一番偉い地位の人。阿選の焼き討ちにより全員死んだ。
(道士 < 監院 < 方丈)
ぜんじょう
禅譲
王が自ら蓬山に出向き、王の位を降りること。
禅譲をすると数時間〜数日で王が死ぬ代わりに麒麟は生き残る。
天官 王や宰輔の世話など、王宮内(城内)の諸事を行う部署。

関連人物

皆白/嘉磬/立昌

地官 土地や戸籍を管理する部署。

関連人物

哥錫

春官 イベント行事を管理する部署。

関連人物

張運/懸珠/立昌

夏官 軍を管理する部署。その他警備や土木事業なども管理する。

関連人物

芭墨/叔容

秋官 法律関係の部署。罪人を裁くこともする。

関連人物

花影/橋松

冬官 技術開発・管理する部署。呪具を含む様々な物品を作る。技術者が多い。

関連人物

琅燦

こしゅう
鴣摺
稀少な青鳥。
王宮もしくは州候城の里木からしか手に入らず、場所または人を指定して飛ばすことができる。人の場合は事前に会っている必要があるが、一旦相手を覚えると相手がどこにいようが自ら探して飛んで行く。
基本的には夏官の管轄下にあり、夏官校人が育成しているが余剰を売ることが非常に稀ながらある(ただし民間人には回らない)
じせん
次蟾
鳩によく似た鳴き声の妖魔。
その独特の鳴き声で他者の自我を破壊する。この"自我が破壊された状態"を白圭宮の官吏たちは『病んだ』と表現していた。
尚、症状が軽い場合のみ次蟾を遠ざければ自然回復するが、ある程度症状が進行していると自我が破壊されたまま助からない。
しにく
視肉
黄海に棲む妖魔の一種。獣だか植物だか分からない不思議な生き物で、これがあれば人間が妖魔を飼う(生かしておく)ことができる。
しよう
視養
妖獣の餌。特殊な妖(おそらく視肉)の肉を複雑な手法で乾燥させたもの。
元々は黄朱が独自に作っていたものだが、何者か(おそらく琅燦)がその技術を黄朱から冬官府に移したため、戴では『冬官府だけが作ることのできる貴重な餌』ということになっている。
りりき
貍力
黄海に棲む妖魔の一種。死ぬ直前の断末魔は山を壊すほどの威力を持つ。
りょううんざん
凌雲山
雲よりも標高が高い山。
各国にそれぞれ複数の凌雲山があり、各王宮も凌雲山の山頂部に据えられている。
(十二国世界には飛行機のような航空技術が一切ないので、雲海の上は比較的安全)
すうぐ
騶虞
白黒の虎のような妖獣。
とても美しく、聡明で、強い。一国を一日で駆ける力を持っており妖獣の中では最高クラス。

尚、雁国には「たま」「とら」という猫のような名前の騶虞がいる。
ふき
不諱
正頼が伝えた言葉「不諱を訪ねろ」から。
おそらく固有名詞だが地名/人名のどちらかは謎。あだ名・暗号の可能性もアリ。

玄管・主公の正体について(考察)
琅燦について(考察)




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